
自分を受容し、自分の人生の選択と責任に気付きを与える一冊。
「自尊心」とは何か。簡単に言うと、それは自分を好きになり、他人と同じように自分も素晴らしい人生を創造するに値する人間だと信じる気持ちののことである。
うまくいっている人の考え方ーはじめに
「第1部自分を好きになる」「第2部よりよい考え方を選ぶ」の2部構成で、自尊心・自己受容を高めて人生を切り開くヒントが書かれています。
私は欠点だらけだ。私は他人より劣っている。私は人生を切り拓くことができない弱虫だ。そんなことを思っている人に読んでほしい。
仕事でミスが続き、なくなる自信。その状況にイライラする自分がますます嫌いになる。精神状態の悪い中でまたミスが出る。負のスパイラル。
SNSで幸せそうな自分以外の人たち。
新しい一歩など無理。今の生活を維持するのもできない情けない自分。
このような今に向き合ってみる。
第1部自分を好きになる
- 自分に寛大になる
- 自分を大切にする
- 自分を受け入れる
- 自分の価値を信じる
- 自分の人生を生きる
を柱に自分をすきになるための50のヒントが書かれています。
自分に対しては「自分を許す」「あるがままの自分を受け入れる」「自分で自分を苦しめない」「自分の存在そのものに価値があると信じる」「自分の人生に起こることすべてに責任を取る」。また違う個性である他者に対しては「自分と他人を比較しない」「他人を変えようとしない」「他人を批判しない」など。
第2部よりよい考え方を選ぶ
- 視点を変えてみる
- 自分と出会う 人と出会う
- ポジティブに考える
- ありのままの自分を見る
- 自分の手で人生を創り出す
を柱に人生を切り拓く50のヒントが書かれています。
「今、幸せだと気づいている」「現在に意識を向ける」「間違った信念は捨てる」「人生は不公平だと考えない」「自分らしく生きる」など。
平易な言葉、深い示唆
ここまで読んで感じられた方もいると思いますがアドラー心理学に通じているところが多くあります。 他者の人生を生きない。自分の選択に責任を持つ(逆に選択は自分ができる)。100のヒントは実に平易な言葉で書かれている。けれどそこには深い示唆がある。ただし、言葉の平易さに反して行うのは結構難しいところもあるかもしれない。 自己肯定感が万能感にすり替わらないような注意も必要だ。
今からでもできるヒント、人によってはハードルが高いと感じるヒントいろいろあります。できるヒントからひとつずつ実践していこう。 同調、普通(普通てなんでしょうか。。。)を求められることが多い日本。また日々ネガティブな環境にいて、その環境を変えるのも難しい場合もあると思います。 ときに読み返して、本書のヒントに立ち戻ってみるのもいい。
冒頭の、私は欠点だらけだ。私は他人より劣っている。私は人生を切り拓くことができない弱虫だ。これは私自身でもありました。うつ症状でこころの波がまだまだ大きいですが、本書のヒントで心が軽くなったことも何度も。
最近自分のことが嫌いになっているひと、自分の心が自分の思い通りにならない(自分の心が他人に支配されているような違和感を感じる)人などにぜひ手に取ってもらいたいです。
定番の「嫌われる勇気」。こちらもおすすめです。ただし、こちらの方が少し内容が厳しいと感じられることもあるかもしれません。今ある自分は自分の選択によるものだと明確に突きつけられるので、うつ気味の時はさらに落ちることも (生活環境や過去の出来事のせいにする方が本当は楽です) 。 逆に過去や環境に縛られず新たに選択することができると説いているのですが (解釈を誤ってしまう恐れがあるのが、この手の本を素人が読むことの難しさだとも思う) 。