
人生敗北糞野郎ことマケイヌです。今回のおすすめは
1998年リリース
BECKの「MUTATIONS」です。
BECKとは
- ロサンゼルス出身のシンガーソングライター
- ローファイで中毒性の高いヒップホップ+フォーキーなサウンドと自虐的な歌でシングル「Loser」がヒット、メジャーデビューアルバム「Mellow Gold」も高いセールスを得る。メジャー2nd「ODELAY」にてその評価は決定的なものに。
- 柔軟な音楽性と抜群のソングライティングセンスで、コンスタントに質の高い作品を世に送り出している。
正直に言うと、このアルバム初めて聴いたときには”地味”って印象でした。
ブルージーでフォーキーな楽曲をヒップホップ的に解体再構築した雑多でラフなサウンドと飄々としてPOPな歌がユニークだった「ODELAY」(ジャケのモップ犬のセンスもGOODでした)の延長線を期待していたので。
すみません。
M1「Cold Brains」から静かに始まり、名曲M2「Nobody’s Fault But My Own」、サイケデリックな(おいthe Beatlesかよ)M3「Lazy Fries」と前作まではサウンドの奇抜さで隠れがちだったソングライティングの良さが光ります。タイトルずばりにボサノヴァなM6「Toropicalia」、ヨレヨレなブルース感が心地よいM8「Bottle of Blues」、ピアノとホーンがラグタイムを思わせるM9「O Maria」、静かな曲だが力強いM11「Statics」ロックにはじけたと思ったら鳥の鳴き声が聞こえたり、現代音楽のようなカオスな展開を聞かせたりとぶっ飛んだナンバーM12「Diamond Bollocks」、そしてメランコリックなM13「Ruuners Dial Zero」で静かに閉じていく。
前作以上に音楽的引き出しの多さを示し、かつ良質なメロディーを聴かせてくれた一枚。傑作アルバム「Sea Changes」や「Morning Phase」にもつながるような重要な作品。