
計画停電の時の闇が忘れられない。普段、街の明かりに慣れていた目にはあまりにも暗く、 そのあやうさの中ゆっくりと歩いていくと、自分と外との境界線がわからなくなるような不思議な感覚につつまれる。
「the lost Japanese mood」をコンセプトとした広島在住の音楽家「冥丁 」さんのアルバム「Komachi」はそんな闇夜を揺蕩うような雰囲気をもった一枚。
リーディングが個性的だった「怪談」とくらべるとかなりストレートなアンビエント作品なので、多くのリスナーに聴いてもらいたい。
柔らかなノイズとサンプリングされた「水の音」、「フィールド音」が心地よい浮遊感を生んでいます。日本的な空気をエクスペリメンタルなサウンドで表現した美しい作品です。